ホストクラブの借金は債務整理できる?ホストのツケを任意整理や自己破産、個人再生する方法

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最近のホストクラブは、初回は手頃な価格で楽しめるようにしているため、興味本位でホストクラブを訪れる女性も少なくないようです。

中にはきらびやかな世界に魅了され、連日通い詰めるようになる女性も。

そうした女性は、お気に入りのホストの売上げをあげるため、一日で数十万、数百万と使うこともあるそうです。

自分の収入の範囲で使うのであればよいですが、高額な飲食代を支払うために、貸金業者から借金をする人も出てきています。

そして、貸金業者から借金をしても支払い切れなくなると、飲食代を「ツケ」にしてホストクラブに通うのです。

そうこうしているうちに、ホストからツケの清算を求められるようになるものの、支払えず、債務整理を検討することになります。

とはいえ、ホストクラブのツケ、つまり借金は債務整理をすることができるのでしょうか?

そこで、この記事では、ホストクラブの借金は債務整理することができるのか?という疑問について詳しく解説します。

ホストクラブの借金は債務整理することができるのか?

債務整理と一口にいっても、任意整理、個人再生、破産という主に3つの手続きがあります。

それぞれ見ていきましょう。

任意整理について

任意整理とは、裁判所を介さず、直接債権者と交渉し、利息や遅延損害金の支払いを免除してもらった上で、毎月の返済額も減額してもらい、借金そのもの(元本)を3年から5年で返済する内容の合意を締結する手続きです。

ホストクラブの借金については、任意整理をするメリットはないでしょう。

なぜなら、ホストクラブの借金は、貸金業者からの借金と異なり、利息があるわけではないので、任意整理をしたところで返済額が変わるわけではないからです。

また、そもそも、ホストクラブ側が借金の分割返済を認める合意をすることも考えにくいでしょう。

そのため、ホストクラブの借金について任意整理をすることは難しいと言えます。

個人再生について

個人再生とは

個人再生とは、裁判所に申立てをして、借金を減額してもらい、残った借金を3年(特別な事情がある場合、5年間まで返済期間を延ばすことができます)かけて分割で返済する手続きです。

小規模個人再生だと同意が必要

ところで、個人再生には、小規模個人再生と給与所得者再生の2つがあります。

両者の違いを大まかに言うと、給与所得者再生では、債権者が再生手続によって債権額が減額されることについて反対の意見を言ったとしても減額されるのが通常であるのに対し、小規模個人再生では、借金を減額することに同意しない債権者が一定数以上いると、借金の減額そのものが認められません。

そして、給与所得者再生は、債権者の同意が不要とされる分、小規模個人再生と比べて債権者への返済額が多くなっています。

また、いずれの手続きも「継続的に収入を得る見込みがあること」が必要とされていますが、さらに、給与所得者再生は、サラリーマンや公務員など、変動の幅が小さい定期的な収入を継続して得る見込みのある人でなければできません。

こうしたことから、実務では、個人再生のほとんどが小規模個人再生となっています。

しかしながら、ホストクラブの借金の場合、ホストクラブが借金を減額することに同意せず、小規模個人再生をすることができない可能性があります。

そのような場合、給与所得者再生をするか、後ほど説明する破産を選択せざるを得ないでしょう。

金額が分からなくても大丈夫


ところで、ホストクラブの借金の場合、貸金業者などからの借金と異なり、借金の金額が分からない可能性があります。

そのような場合も個人再生はできるのでしょうか?

結論から言うと、借金の金額が分からない場合でも個人再生をすることは可能です。

どのようにするかというと、裁判所に申立てをする時点では分かる範囲で金額を申告します。

申立てを受理した裁判所は、債権者に対して通知を発し、債権額などを届け出るよう求めます。

債権者から届け出があれば、届け出がなされた債権額を前提として再生手続が進みます。

一方、債権者から届け出がないようであれば、債務者が申立て時点で申告した金額を前提として再生手続が進むことになります。

破産について

破産とは

破産は、裁判所に申立てをして、①破産者の資産を処分してお金に換え、これを債権者への返済に充てる手続き、②それでも残った借金をゼロにするという手続きからなります。

前者は、破産手続と呼ばれ、後者は、免責手続と呼ばれています。

☆免責が認められないこともある

破産の手続きについて定めた破産法は、裁判所が、債務者の借金をゼロにすることを認めない事由について規定しています(破産法252条1項各号)。

このような事由を「免責不許可事由」といいます。

免責不許可事由があるとされると、借金がゼロになりません。

免責不許可事由の分かりやすい例として、借金の原因がギャンブルや浪費であることが挙げられます。

そして、ホストクラブの借金は「浪費」に当たるとされています。

そのため、ホストクラブの借金を原因として破産を申し立てた場合、免責が不許可とされ、借金がゼロにならない可能性があります。

もっとも、破産法上、破産者に免責不許可事由がある場合でも、裁判所は、様々な事情を勘案し、裁量によって免責とすることが認められています。

実際、ほとんどの事件において、裁判所は、免責不許可事由がある場合でも裁量で免責を認めています。

管財事件となる

このように免責不許可事由があり、裁量で免責を認めるかどうかが問題となる事案では、通常の破産の手続きと比べて手続きが複雑で時間がかかります。

というのも、自己破産の手続きには2種類あります。

一つが「管財事件」で、もう一つが「同時廃止」です。

管財事件と同時廃止を区別するのは、「破産管財人」が関わるかどうかです。

①破産手続を進めるにあたっては、債務者にどのような財産があるのかを調査し、財産があれば、これを適切に換価して、債権者への返済に充てなければなりません。

また、②免責手続を進めるにあたっては、免責不許可事由の有無を調査する必要があります。

こうした財産の調査や管理、事実関係の調査を裁判所が自らするのは非常に負担が大きく困難です。

そのため、裁判所は、これらの業務を行うものとして「破産管財人」を選任するのです。

このように、破産管財人が選任された上で手続きが進められるものは「管財事件」と呼ばれます。

免責不許可事由があり、裁量で免責を認めるかどうかが問題となる事案では、②事実関係の調査が非常に重要ですから、破産管財人が選任される管財事件となるのが一般的です。

先に説明したとおり、管財事件は、同時廃止と比べて時間がかかります。

また、破産管財人に対する報酬を支払う必要があるため、同時廃止と比べて費用もかかることに注意が必要です。

消滅時効について

最後に、ホストクラブの借金の消滅時効について触れておきたいと思います。

消滅時効とは、債権者が債務者に対して請求等をせずに、法律で定められた一定期間が経過した場合に、債権者の法的な権利を消滅させる制度です。

ホストクラブの借金は、「飲食店の飲食料」であり、法律で定められた一定期間は1年とされています(民法174条4号)。

そのため、ホストクラブを最後に訪れてから1年以上を経過しており、その間、借金を一切返済していないよう場合、消滅時効が完成している可能性があります。

しかしながら、時効には、「中断」という制度があります。

時効の中断とは、時効の進行が途中で止まってしまうことです。

時効が中断されると、時効の期間が始めに巻き戻り、また新たに「ゼロ」から時効期間の進行が始まります。

時効は中断する場合の一つとして、債務の承認というものがあります。

債務の承認とは、例えば、ひいきにしているホストから借金の返済を求められ、「次に来店したときに支払う」などといったメールを送っていた場合です。

このような行為は、債務の承認にあたり、時効が中断してしまいます。

このように、安易な行動は、命取りとなりますので、債務整理を検討し始めたら、早急に弁護士などの法律の専門家に相談をし、その指示に従って動いた方がよいでしょう。

なお、2020年4月1日から改正民法が施行され、同日以降に発生した飲食店の飲食料も、「法律で定められた一定期間」は5年となるので注意してください。

まとめ



以上、ホストクラブの借金を債務整理する方法について解説しました。

説明したとおり、ホストクラブの借金も債務整理をすることは可能です。

ただ、注意すべき事柄が複数あるので、一日も早く弁護士などの法律の専門家に相談するのがよいでしょう。

以上

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