借金の返済が遅れて債権差押命令が届いた!給料や口座が差押えられてからでも債務整理はできる?

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消費者金融からの借金の返済が滞っていたら、裁判所から債権差押命令が届いた!

どうやら給料が差し押さえられたよう…。

そんな人は、「給料の差押えってどういうこと?」「今後どのように対処すればいい?」などと不安でいっぱいなのではないでしょうか。

そこで、この記事では、給料の差押えがどういうものか、差押えがなされた場合の対処法について分かりやすく説明していきます。

強制執行の流れ


借金の返済が滞っている場合になされる差押えは、民事執行法が定める強制執行の段階の一つです。

そこで、以下では、強制執行の意義、手続きの流れについて説明します。

強制執行の意義

強制執行は、民事執行の一種で債務名義というものに基づいて行われるものです。

強制執行には、金銭執行と非金銭執行とがあります。

そのうち、金銭執行は、債務者の財産から金銭を強制的に支払わせるものです。

借金の返済が滞っている場合になされる差押えは、まさに、金銭執行の一環として行われます。

金銭執行の種類

金銭執行は、さらに、何を対象として執行するかによって区別されます。

具体的には、民事執行法上では①不動産執行、②船舶執行、③動産執行、④債権執行が規定されています。

④債権執行ですが、そもそも、債権とは、特定の人が特定の人に対して給付を請求することができる権利です。

給与は、労働者が使用者に対して給付を請求することができるものなので、まさしく債権に該当します。

金銭執行の中でも、債権執行が最も多く利用されているので、以下では債権執行に絞って説明します。

債権執行の流れ

債務名義の取得

先に説明したとおり、強制執行は、債務名義というものに基づいて行われるものです。

そのため、債権執行を申し立てる前に債務名義を取得しなければなりません。

債務名義とは、強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在、範囲、債権者、債務者を表示した公の文書です。

債権者が債務名義を取得する方法として、主なものは以下の3つです。

①訴訟を提起し、勝訴判決(借金の返済義務を認める判決)を得る

②支払督促を申立て、仮執行宣言付支払督促を得る

③借金をする際に執行証書を作成する

②について説明すると、支払督促とは、申立人の申立てのみに基づいて、簡易裁判所の書記官が相手方に金銭の支払いを命じる制度です。

書類審査のみで行われる簡易な手続きのため、消費者金融やクレジットカード会社などに利用されることが多い手続きといえます。

相手方が、異議の申立てをするなどして対応しないと「仮執行宣言付支払督促」というものが出てしまうのですが、これが債務名義となります。

また、③について説明すると、執行証書とは、公証人が作成した公正証書です。

その中には、「借金の返済期限が過ぎた後は債務者が直ちに強制執行を受けても異議のない」旨が記載されており、債務名義となります。

このように①ないし③によって、債権者が債務名義を取得している場合、直ちに以下の強制執行の手続きに移ることができます。

申立て


債権執行の場合、第三債務者の所在地を管轄する地方裁判所に対し、債権差押の申立てをします。

第三債務者とは、給与の差押えでいえば、使用者を指します。

差押命令

裁判所は、申立てを受理すると、第三債務者に対して債権差押命令を送達します。

このとき、裁判所は、陳述催告書というのも一緒に送ります。

陳述催告書とは、第三債務者に、差押えの対象となる債権の存否や弁済の意思の有無を回答させるものです。

続いて、裁判所は、当事者である債務者に債権差押命令を送達します。

債務者への送付が後になるのは、差押えを察知した債務者が、先に第三債務者から弁済を受けるのを防ぐためです。

陳述書の返送

第三債務者は、陳述書を返送します。

取立て

裁判所は、第三債務者と債務者に送達後、債権者に対し、債権差押命令の送達日を通知します。

債務者に対する送達日から1週間を経過すると、債権者は第三債務者から債権の取立てをすることができます。

取立てを行うには、債権者が第三債務者に直接連絡をし、振込みを依頼するなどの取立行為をしなければなりません。

債権者は、第三債務者から取立てをした際は、取立届を裁判所に提出します。

給料が差し押さえられた場合どうなる?

それでは、上記の流れで給料が差し押さえられた場合、具体的にどうなるのでしょうか?

給料を差し押さえることにより、債務者の生活を困窮させるわけにいかないので、民事執行法上、給料(税金等を控除した残額)の4分の1までが差押えの対象になると定められています(民事執行法152条1項2号)。

そのため、裁判所から債権差押命令を受け取った勤務先は、債権者から取立てがなされると、債権者に対して給料(税金等を控除した残額)の4分の1を交付します。

これにより借金全額に充当されればよいですが、一部にしか充当されない場合、勤務先は、債務者が勤務を続けている限り、借金全額が充当されるまで、毎月の給料の4分の1を債権者に交付します。

毎月の給料の4分の1が強制的に返済に充てられると、差押えをした債権者以外からも借金をしているような場合、返済原資がなくなります。また、生活もひっ迫します。

そこで、返済原資を用意したり、生活費を用立てたりするため、さらなる借金を重ねてしまうようになります。

給料が差し押さえられた場合の対応は?

それでは、さらなる借金を重ねることを避けるため、給料が差し押さえられた場合、これを停止する方法はないのでしょうか?

民事執行法上は、例えば、債権者と交渉し、「弁済の猶予を認めてもらったこと」を証明する文書を裁判所に提出することで、強制執行を停止させることができるとしています(民事執行法39条)。

しかしながら、あくまで、債権者が弁済の猶予を認めた場合です。

債権者は、給料を差し押さえれば、債務者がその勤務先で勤務を継続する限り、強制的に借金を回収することができます。

これに対し、差押えを取り下げると、高い確率で債務者は再び返済を滞らせるでしょう。

債権者は、費用をかけて債務名義を取得し、強制執行を申し立てているので、それを自ら取り下げ、返済が不確実な状況にすることは考えにくいのです。

したがって、債権者が、強制執行の停止に応じることに期待はできないでしょう。

とすると、給料が差し押さえられた状況下では、借金が増えることはあっても、減ることはないといえます。

そのため、借金を減らし、生活を再建するためには、債務整理を検討すべきです。

一口に債務整理といっても、債務整理には、主に任意整理、個人再生、破産といった方法があります。

給料が差し押さえられている状況下でする債務整理はどれが適切か見ていきましょう。

任意整理は?


任意整理は、債務整理のうち、裁判所を介さない手続きです。

直接債権者と交渉し、利息や遅延損害金を免除してもらった上で、毎月の返済額も減額してもらい、残債務を3年から5年の分割払いで返済する内容の合意を締結します。

任意整理をする場合、差し押さえられている給料を含め、返済原資とする必要があります。

しかしながら、先に説明したとおり、通常、差押えは停止されません。

とすると、返済原資を十分に捻出することができないため、給料が差し押さえられた後に任意整理をすることは困難であると言わざるを得ないでしょう。

個人再生は?

個人再生とは、裁判所に申立てをして、すべての借金のうち一部を免除してもらい、残りを原則として3年で分割返済する手続きをいいます。

個人再生の手続きについて定めた民事再生法は、債権者平等の原則を前提としています(民事再生法155条)。

個人再生の手続きの申立て後、特定の債権者だけ強制執行を継続し、借金の返済を受けることで、他の債権者との間で不平等が生じることは避けなくてはなりません。

そのため、裁判所が、個人再生手続きを開始する旨の決定を出すと、差押えは中止されます(民事再生法39条1項)。

これにより、勤務先が債権者へ給料の一部を直接返済することはなくなります。

もっとも、債務者は、すぐに勤務先から給料満額の支払いを受けられるようになるわけではありません。

個人再生の手続き中、差押えは、停止されているだけであって、差押えの効力がなくなったわけではないからです。

差押えの対象となる給料の4分の1は、基本的に勤務先に留保されます。

裁判所が、個人再生手続き上の返済計画である「再生計画」というものを認可することが決定すると、差押えは効力を失います(民事再生法184条)ので、勤務先から留保されていた給料が支払われます。

また、それ以降は給料満額が支払われるようになります。

なお、個人再生を申し立てられると、債権者は、差押えをしている意味がなくなります。

そのため、債権者に対して差押えの取下げを依頼すると、了承してもらえることもあります。

この場合には、給料の4分の1が勤務先に留保されることなく、債務者が給料満額の支払いを受けることが可能となります。

破産は?

破産は、裁判所に申立てをして、債務者の財産を処分してお金に換え、これを債権者への返済に充て、それでも残った借金をゼロにするという手続きです。

破産も、債権者平等の原則を前提とした手続きです。

そのため、破産の申立てがなされると、差押えをした一部の債権者だけが借金の返済を受けることがないようにされています。

もっとも、破産の中でも、管財事件と同時廃止事件とでは違いがあります。

管財事件の場合

管財事件とは、破産者の財産を調査・管理・換価してこれを配当するに際し、裁判所が破産管財人を選任する場合を指します。

管財事件の場合、破産者の給与の差押えは、破産手続きを開始する決定がなされると同時に効力を失うとされています(破産法42条2項)。

したがって、破産者は、勤務先から給与満額の支払いを受けられるようになります。

同時廃止事件の場合

同時廃止事件とは、換価する財産がないため、破産手続きの開始決定と同時に破産手続きを廃止する決定がなされる場合を指します。

同時廃止事件の場合、破産手続きの開始決定と同時に差押えは中止とされ(破産法249条1項)、後に裁判所から免責許可(借金をゼロにすることを認めるもの)が下された場合には、差押えの効力が失効します(破産法249条2項)。

したがって、直ちに給料満額の支払いを受けられるわけではなく、差押えの効力が失効した後に支払いを受けられるようになります。

裁判所を介した手続きをとるべき


以上説明したとおり、給料が差し押さえられるまでの事態に至っている場合、個人再生か破産という裁判所を介した手続きをする以外に生活を再建するのは極めて困難です。

個人再生と破産のどちらを選択すべきかについては、ケースバイケースなので、弁護士などの専門家に相談して決める必要があります。

まとめ


以上、給料の差押えがどういうものか、差押えがなされた場合の対処法について説明しました。

債権者による差押えまで進んでいると、事態は相当悪くなっていると言えます。

早急に弁護士などの専門家に相談されることをお勧めします。

以上

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