奨学金を債務整理する前に~失敗しない任意整理や個人再生・自己破産の方法

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学生時代の奨学金の返済に困っている人は、「奨学金も他の借金と同じく債務整理ができるの?」という疑問をお持ちではないでしょうか。

結論から言うと、奨学金も他の借金と同じく債務整理ができます。

もっとも、他の借金と一緒に奨学金の債務整理をするに当たっては、奨学金が含まれていない場合と異なる配慮をする必要があります。

この記事では、奨学金を含めて債務整理をする際の注意点について詳しく説明していきます。

奨学金について

奨学金を含めて債務整理をする際の注意点について説明する前に、奨学金について簡単に説明します。

奨学金とは?

日本で最も利用している人が多い奨学金制度は、独立行政法人日本学生支援機構が運営するものでしょう。

第一種奨学金(無利息)と第二種奨学金(利息付き)があり、どちらも返還の必要があります。

つまり、奨学金と呼ばれていますが、日本学生支援機構からの借金ということです。

なお、給付型の奨学金制度もありますが、厳格な審査を通った限られた人しか利用できず、貸与型の奨学金制度を利用する人がほとんどです。

利息付きの第二種奨学金であっても利率の上限は年利3%で、消費者金融から借金をした場合、利率の上限は、借金に応じて年利15~20%とされていることと比べて格段に低くなっています。

この日本学生支援機構の貸与型奨学金制度を利用するに当たっては、機関保証か人的保証のいずれかを選択しなければなりません。

機関保証について

公益財団法人日本国際教育支援協会という機関が連帯保証をする制度です。

人的保証と異なり、親族に迷惑をかけないというメリットがありますが、保証料を支払う必要があります。

人的保証について


人的保証を選択した場合には、連帯保証人と保証人が必要とされています。

連帯保証人とは?

連帯保証人とは、奨学生本人と連帯して返還の責任を負う人です。原則として「父母」とされています。

保証人とは?

奨学生本人と連帯保証人が返還できなくなったときに、奨学生本人に代わって返還する人です。原則として「おじ・おば・兄弟姉妹等」とされています。

連帯保証人と保証人の違いは?

保証人には「分別の利益」というものがあります。

分別の利益とは、債務者本人に代わって支払う金額が保証人の数に応じて分割された金額となることです。

他方で、連帯保証人には分別の利益がないので、債務者本人に代わって全額を支払わなければなりません。

つまり、連帯保証人と保証人がいる奨学金の場合、保証人は、債務者本人が返済できていない奨学金の半分を返済すれば足ります。

ところが、日本学生支援機構は、保証人に対してそのことを説明せずに、全額請求しており、問題となっています。

参考記事⇒奨学金、保証人の義務「半額」なのに…説明せず全額請求

債務整理をする際の注意点は?

一口に債務整理といっても、いくつかの方法があり、適切なものを選ばなければなりません。

以下で詳しく見ていきましょう。

任意整理は?


債務整理と聞いて最初に思い浮かべるのは、任意整理ではないでしょうか。

任意整理とは、裁判所を介することなく、直接債権者と交渉して合意を締結する手続です。

債権者には、既に発生している利息や遅延損害金を免除してもらった上で、毎月の返済額も減額してもらい、残債務を3年から5年の分割払いで返済する内容の合意をします。

また、本来、返済が完了するまでに発生する利息の支払いも免除してもらいます。

先に説明したとおり、日本学生支援機構の奨学金は、無利息または利息付でも年利3%で、消費者金融からの借金にかかる利息の利率と比べて格段に低くなっています。

そのため、日本学生支援機構に、既に発生している利息や将来発生する利息の支払いを免除してもらったとしても、返済額はそれほど変わりません。

そうすると、日本学生支援機構の奨学金について、任意整理をするメリットはないといえるでしょう。

それどころか、任意整理は、残債務を3年から5年の分割払いで返済する内容の合意をする手続きです。

日本学生支援機構の奨学金の返済期間は、長期間に及ぶことが許容されているので、任意整理をする方が不利となりかねません。

もっとも、任意整理の利点の一つは、後で説明する個人再生や破産と異なり、すべての債権者を平等に扱う必要はないところにあります。

つまり、奨学金以外の借金に限って任意整理をすることは可能です。

奨学金以外の借金の金額が少なければ、任意整理によって毎月の返済額を減額してもらうことで、奨学金の返済も続けられるでしょう。

個人再生や破産は?

それでは、奨学金以外の借金の金額が多い場合はどうしたらよいでしょうか。

一般的には、毎月の返済額の合計が手取り収入から住居費を差し引いた額の3分の1を超えるようであれば、任意整理は難しいと言われています。

したがって、そのような場合には、個人再生や破産を検討しなければならないでしょう。

個人再生について

個人再生は、裁判所に申立てをして、すべての債務のうち一部を免除してもらい、残債務を3年(特別な事情がある場合、5年間まで返済期間を延ばすことができます)かけて分割返済する手続きです。

個人再生を選択すれば、奨学金も一部の支払いが免除されることになります。

破産について

破産とは、裁判所に申立てをして、破産者の財産を処分してお金に換え、これを債権者への返済に充て、それでも残った債務をゼロにするという手続きです。

破産を選択すれば、未返済の奨学金全額の返済義務がなくなります。

個人再生や破産をする場合の注意点

先ほど説明したとおり、奨学金を借りる際に人的保証を選択した人は、親族に連帯保証人や保証人になってもらっています。

奨学金を借りた本人が個人再生や破産を選択したからといって、連帯保証人と保証人も返済しなくてよくなるわけではありません。

連帯保証人は、奨学金を借りた本人が返済できなかった金額全額を、保証人は、その半分を返済する義務を負い続けます。

さらに、日本学生支援機構から奨学金を借りる際の約束として、奨学金を借りた本人が個人再生や破産をした場合、連帯保証人や保証人に一括で請求できることになっています。

個人再生も破産も、複数の債権者がいる場合、すべての債権者は平等に取り扱わなければならないとする債権者平等の原則が前提とされているので、奨学金だけ異なる取り扱いをすることはできません。

このように、奨学金を借りた本人が個人再生または破産をする場合、連帯保証人や保証人に迷惑をかけることになるので、あらかじめ話をしておく必要があるでしょう。

場合によっては、連帯保証人や保証人も一緒に個人再生や破産をすることを検討すべきでしょう。

なお、奨学金を借りた本人に代わって連帯保証人や保証人が返済することになった場合、日本学生支援機構は、連帯保証人や保証人からの申入れにより、引き続き毎月の分割払いに応じてくれることもあります。

借入れが奨学金のみの場合は?


ところで、奨学金以外に借入れがないものの、失職、病気等で収入がなく、奨学金を返済できない場合はどうしたらよいでしょうか。

先ほど説明したとおり、奨学金については任意整理をするメリットがありません。

他方で、日本学生支援機構は、減額返還制度(一定期間、毎月の返済額を2分の1または3分の1に減額する制度)や、返還期間猶予制度(一定期間、返還を猶予し先送りにする制度)などを設けていますので、それらの制度の利用を検討するのがよいでしょう。

なお、最近は、奨学金の未返済があまりにも多く、社会的な問題となっており、日本学生支援機構による取立ても厳しくなっているとされています。

具体的には、延滞3か月以上となると、個人信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に登録されます。

消費者金融等は、借金の申込みがあると、個人信用情報機関に登録された情報を基に貸付けをするかどうか決めています。

そのため、個人信用情報機関に延滞の事実が登録されると、「経済的信用が低い」と判断され、新たな借金ができなかったり、クレジットカードが発行されなかったりする場合があります。

さらに、延滞9か月以上となると、一括返済を求められる可能性が高いです。

そのような事態を避けるためにも、早期に減額返還制度等の申請を検討すべきでしょう。

まとめ


以上、奨学金を含めて債務整理をする際の注意点について説明しました。

奨学金の返済が厳しいときは債務整理をすることも可能ですが、注意しなければならない点があるので、弁護士等の専門家に相談することをおすすめします。

また、債務整理の相談に訪れた人が、奨学金を借金だと認識していないことがよく見られます。

奨学金も借金ですので、弁護士等に借りている事実を伝えることを忘れないようにしましょう。



現実と向き合いたくない借金問題はどうしても放置してしまいがちです。

しかしながら、問題を後回しにすればするほど状況は悪化するだけです。

現在の日本では、法律で借金問題は簡単に解決することができます。

借金問題を解決し、1日も早く新しい充実した人生を再スタートしましょう。

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